チョークホルダーとスターハンマー

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2025/03/16(日)


前回の新製品とはこんなの。




打音検査とはナニかというと、タイルやコンクリート等の壁面を叩いてその音を「聴いて」異常を捉える検査法で、
その際に使うハンマーとか打診棒とか呼ばれる叩く道具があるが、
従来は先端が玉になったものとか、球状の多面体の物だったりするが、これの改良版がスターハンマー。
どう従来品と違うかは、次回に回すとして、今回はチョークホルダー開発について。
チョークホルダーはその異常個所をマーキングするチョークを付けるホルダー。
これを打音検査の道具と別々に持って作業していた。
これ、一つにまとめたら楽じゃん?と考えた。
チョークホルダー、こんなの昔からありそうなもんだけど、調べても無い。
いや、単独で棒の先にチョーク付けるのは有るんよ。
でも、打診棒とかの伸縮棒に後から付けるのがねぇんですワ。これが。

じゃあ作るか!と思って、まずは3Dプリンタ―での出力を前提に3DCADでデザイン兼設計。
私ゃデザイナーじゃないから機能重視であれこれデザインしてみた
んで、出来た第1号がこれ、チョークを持たせる部分を既製品にしてこれを掴むようにさせたもの
チョークの出し入れがスムースでかつ確実に掴めるとなると仕組み的に難しいかも?
ならば、既製品じゃん?となってチョークを掴む部分を既製品にした試作品を作って見た。



・・・だけど、デカイ!>ん~~却下!
デカくて重くなるのは現場的にNG。

待てよ?掴む既製品を更に掴ませるのはバカバカしい。
ならば、直接掴ませたらど~かな?
と、思って、再設計。
意外とすんなりとシンプルに掴める機構が出来た。
ここから問題だったのが、掴める太さのバリエーション幅。
あれこれSoridworksの前で唸って出来たのがこれ。



あれこれ機構を考える中、同時に実用新案の出願も並行してやる。
ああ・・やる事大杉。
やってるうちに実用新案といえども特許出願並みに多数のバリエーションを思いついてしまったから出願書類へ盛り込む。
一応、もっと小型の石筆(石墨)を掴めるのも作ったけど、



で、色々試していたら、両方イケる形状で落ち着いた。
「大は小を兼ねる」と、言うヤツね。

実用新案と特許の違いは「工夫」と「発明」の違いで、アメリカではこうした区分は無く、全てpatentと扱われる。
今回は自分の中で「これは単なる”工夫”で”発明”程じゃぁーねぇ~よな」と、思って書類書いたけど、あら?これってもしかして特許になるかな?
と思ったりもして・・・。
まあ、いいか。後から特許に切り替える方法もあるし(勿論、それが可能な期限は有る)。

しかし、試作した3Dプリンタ―出力と、実際の製品と大きく違うのはプラスチックの材質。
当然、その物性は大きく違う。
一番気になるのがその弾性と強度。
チョークや石墨を挟む構造にバネの機能持たせてある部分があり、
こればかりは本物で試すしかないが、似た厚みの同じ樹脂サンプルで想像するしかない。
(特に今回使ったのがPC、つまりポリカーボネート、低温脆性も無く、めちゃくちゃ頑丈。
何せ宇宙服のヘルメットの透明シールド部分にも使われてる位、頑丈)
一方、3Dプリンタ―の材質はUVレジン(紫外線硬化樹脂)で思った以上に脆い。

チョークの出し入れの際はスムースに動き、筆記の際は動かない様にしっかりと固定する締め付け機構を3Dで出力して、
実際に締め付けると、アラま、実にあっけなく「ポッキリ」と折れてくれる。
なので、3Dプリンターで確認できるのはその形であり、これで実際の製品のシミュレーションをするには困難だ。
だから、本番の金型で成型したものを実際に手に取って検討するプロセスは外せない。
つまり、金型の修正前提で作業を進める事に昔と変わりないが、その修正範囲を限りなく小さくする事が可能となっている。
いや~本当にいい時代になったものだ。
とはいえこういうことを繰り返して・・・・・。
これ(下の写真)が、ポリカーボネートで出来た最終製品。







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